気持ちの良い秋晴れとなった11月3日(金)文化の日、将来有望なアーティストを発掘するショーケース・イベント『AT THE CORNER 未来才能全員集合祭』が開催された。
今回のショーケースは、現在約1ヶ月に渡って開催されているレッドブル主催の「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」のイベントの一つであり、『インターネットや全国に潜在するトラックメイカーとDJと出会いたい』というビートメイカーSeihoとDJのokadadaの熱い想いから生まれた。一般応募全345通にも及ぶデモテープとミックスをひとつひとつ熟考し、選出したDJとトラックメイカー12組が全国各地から渋谷WWW Xという大舞台に集結。
当日、開場前のエントランス上に掲げられた巨大な横断幕が、人々の目を釘付けにしていた。Seihoとokadada自らが設置したこの横断幕には、今回のショーケースに応募してきた全てのDJとトラックメイカーたちの名前が書かれており、デモを送ってきた彼らへのリスペクトと感謝の気持ちが込められたものであるとのことだ。

ステージ前方中央にはDJブース、そしてその一段上後方にライブ用のブースが3つ設置され、DJは40分〜50分、ライブは15分という持ち時間の中でパフォーマンスを行なう。ミニマルなライティング、そしてスクリーンにはそれぞれの出演者の名前と出身地、また今回の応募者の名前の3D映像が映し出される。
イベントはukdd(沖縄)のDJでスタート。始めこそ緊張した面持ちであったが、様々な生楽器の音源による楽曲をつないでいくプレイスタイルで、フロアを独特の世界観に包み込む。開場して約30分ほど経つ頃にはすでにフロアが8割方埋まっており、このショーケースへの注目度の高さが伺えた。
エレクトロポップサウンドに心地良いボーカルがクセになるThe Neon City(大阪)。トラックパッド、マイクで自身のボーカルをサンプリングするなど予測不能な個性が抜きん出ていたtoiret status(山口)のライブではフロアから次々と歓声があがった。


また音の鳴るものは全て楽器とでも言うようにその場の直感で手にしたものを鳴らすExperimentalなパフォーマンスを行ったYNO(千葉)もひときわ異彩を放っていた。無機質なテクノからビートを重視したR&Bで浮遊感を感じるグルーヴを生み出していたdhrma(兵庫)に続くのは、覆面女性デュオPALECORE(東京)が登場するとフロアが少しザワついた。美脚をあらわにしたキョンシーのようなコスチュームの彼女らによる速いビートの中に遊び心溢れるサウンドと扇子を片手に踊るダンスパフォーマンスで、この日一番のインパクトを残した。
高まったフロアのテンションそのままに、バトンを受け取ったのはうさぎのお面を被ったツインテールDJのYUMY(鳥取)。かわいらしい容姿ながらヘヴィーなべースミュージックをプレイするとオーディエンスは激しく身体を揺らす。

ミニマルなテクノからファンク、ジャズなどオシャレで大人なチルサウンドが心地よいFmifmi(札幌)、サウンドを重ねるタイミングが絶妙で安定感溢れるLe Makeup(大阪)と、今回の出演者の音楽の幅の広さとバランス良くラインナップされたタイムテーブルで、時間が過ぎるのがあっという間に感じられた。

そしていよいよDJのトリを務めるokadadaが登場し、ハウス、アシッド、トライバル、HIP HOPまでオーディエンスが求めているサウンドを次々とかますとフロアの熱量がピークに。

それに続いて登場したSeihoは美しいピアノの旋律の中、花瓶に花を生けるというパフォーマンスから始まった。この日のためにいろいろ仕込んできたと自身のSNSでコメントしていたSeihoはプログレッシブ、トランス、ラップ、あらゆるビートを駆使しながら畳み掛けるライブセットで全ての人々をSeihoワールドに引き込んでいた。

「DJとは?」「LIVEとは?」ということを体現してみせた2人の圧倒的なパフォーマンスは、会場に集まった若い才能にとって強いインパクトを与え、良いスパイスになったことだろう。

16時から22時過ぎまで会場(バーカウンター&喫煙スペースまで)は常に多くの人で埋め尽くされていた。このイベント中、DJやトラックメーカーたちが交流をはかっており、お互いに接点を持つ絶好の機会となっていた。また、どんな面白いことをやってくれるのだろうか、という個性溢れる出演者たちへの興味と、Seihoとokadada、そしてWWW Xの選ぶラインナップだから、という信頼感による期待からフロアを離れる時間を惜しむ人が多いように感じられた。

出演者はもちろん、エントランスに掲げられた横断幕に名を残した、全国に潜むまだ名の知られていないアーティスト達、この日イベントに遊びに来て音楽制作に興味を持った人達など、この中から近い将来音楽史に名を残すようなアーティストが出てくる可能性も充分あり得る。
今後、若手アーティストたちがお互いに切磋琢磨しつつ、日本の音楽シーンのレベルを底上げしてくれるのではないだろうか…と確信できるようなこのショーケースの意義は、非常に大きなものだろう。
Photo by:(c)So Hasegawa / Red Bull Music Festival Tokyo 2017
Written by:Yurie
今回のショーケースは、現在約1ヶ月に渡って開催されているレッドブル主催の「RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2017」のイベントの一つであり、『インターネットや全国に潜在するトラックメイカーとDJと出会いたい』というビートメイカーSeihoとDJのokadadaの熱い想いから生まれた。一般応募全345通にも及ぶデモテープとミックスをひとつひとつ熟考し、選出したDJとトラックメイカー12組が全国各地から渋谷WWW Xという大舞台に集結。
当日、開場前のエントランス上に掲げられた巨大な横断幕が、人々の目を釘付けにしていた。Seihoとokadada自らが設置したこの横断幕には、今回のショーケースに応募してきた全てのDJとトラックメイカーたちの名前が書かれており、デモを送ってきた彼らへのリスペクトと感謝の気持ちが込められたものであるとのことだ。

ステージ前方中央にはDJブース、そしてその一段上後方にライブ用のブースが3つ設置され、DJは40分〜50分、ライブは15分という持ち時間の中でパフォーマンスを行なう。ミニマルなライティング、そしてスクリーンにはそれぞれの出演者の名前と出身地、また今回の応募者の名前の3D映像が映し出される。
イベントはukdd(沖縄)のDJでスタート。始めこそ緊張した面持ちであったが、様々な生楽器の音源による楽曲をつないでいくプレイスタイルで、フロアを独特の世界観に包み込む。開場して約30分ほど経つ頃にはすでにフロアが8割方埋まっており、このショーケースへの注目度の高さが伺えた。
エレクトロポップサウンドに心地良いボーカルがクセになるThe Neon City(大阪)。トラックパッド、マイクで自身のボーカルをサンプリングするなど予測不能な個性が抜きん出ていたtoiret status(山口)のライブではフロアから次々と歓声があがった。




また音の鳴るものは全て楽器とでも言うようにその場の直感で手にしたものを鳴らすExperimentalなパフォーマンスを行ったYNO(千葉)もひときわ異彩を放っていた。無機質なテクノからビートを重視したR&Bで浮遊感を感じるグルーヴを生み出していたdhrma(兵庫)に続くのは、覆面女性デュオPALECORE(東京)が登場するとフロアが少しザワついた。美脚をあらわにしたキョンシーのようなコスチュームの彼女らによる速いビートの中に遊び心溢れるサウンドと扇子を片手に踊るダンスパフォーマンスで、この日一番のインパクトを残した。
高まったフロアのテンションそのままに、バトンを受け取ったのはうさぎのお面を被ったツインテールDJのYUMY(鳥取)。かわいらしい容姿ながらヘヴィーなべースミュージックをプレイするとオーディエンスは激しく身体を揺らす。

ミニマルなテクノからファンク、ジャズなどオシャレで大人なチルサウンドが心地よいFmifmi(札幌)、サウンドを重ねるタイミングが絶妙で安定感溢れるLe Makeup(大阪)と、今回の出演者の音楽の幅の広さとバランス良くラインナップされたタイムテーブルで、時間が過ぎるのがあっという間に感じられた。


そしていよいよDJのトリを務めるokadadaが登場し、ハウス、アシッド、トライバル、HIP HOPまでオーディエンスが求めているサウンドを次々とかますとフロアの熱量がピークに。

それに続いて登場したSeihoは美しいピアノの旋律の中、花瓶に花を生けるというパフォーマンスから始まった。この日のためにいろいろ仕込んできたと自身のSNSでコメントしていたSeihoはプログレッシブ、トランス、ラップ、あらゆるビートを駆使しながら畳み掛けるライブセットで全ての人々をSeihoワールドに引き込んでいた。

「DJとは?」「LIVEとは?」ということを体現してみせた2人の圧倒的なパフォーマンスは、会場に集まった若い才能にとって強いインパクトを与え、良いスパイスになったことだろう。

16時から22時過ぎまで会場(バーカウンター&喫煙スペースまで)は常に多くの人で埋め尽くされていた。このイベント中、DJやトラックメーカーたちが交流をはかっており、お互いに接点を持つ絶好の機会となっていた。また、どんな面白いことをやってくれるのだろうか、という個性溢れる出演者たちへの興味と、Seihoとokadada、そしてWWW Xの選ぶラインナップだから、という信頼感による期待からフロアを離れる時間を惜しむ人が多いように感じられた。

出演者はもちろん、エントランスに掲げられた横断幕に名を残した、全国に潜むまだ名の知られていないアーティスト達、この日イベントに遊びに来て音楽制作に興味を持った人達など、この中から近い将来音楽史に名を残すようなアーティストが出てくる可能性も充分あり得る。
今後、若手アーティストたちがお互いに切磋琢磨しつつ、日本の音楽シーンのレベルを底上げしてくれるのではないだろうか…と確信できるようなこのショーケースの意義は、非常に大きなものだろう。

Photo by:(c)So Hasegawa / Red Bull Music Festival Tokyo 2017
Written by:Yurie