約11分に及ぶこのドキュメンタリーでは、2011年からスタートした Magnificence としての歴史や Axtone からのリリース、Robin、Maurice の音楽や体調についての葛藤などが語られている。
英語とオランダ語のみなので、一部を抜粋してご紹介し、また『iFLYER Presents Magnificence』についても振り返ってみたいと思う。
■ Magnificence としてのキャリア
Maginifence は、2011年にそのキャリアをスタートさせた。2016年に現在のマネージャー、Herman-Jan と出会う。この時期、音楽面で色々と彷徨っていたそうだが、Herman-Jan のサポートがあり戻ることができたという。2017年の年末に8曲が仕上がっており、Magnificence としての活動が再スタートしたと語っている。そして Magnificence は楽曲を Axtone の Edd へ送った。
Edd はその楽曲について「全く異なった新しいサウンドのトラックで、Axwell に送るまでに1週間程あった。Axwell に送ると、10分もしないうちに返事が来て、Axwell は「なんだ、このサウンドは....最高じゃないか!」って興奮していたんだ」と語っている。
Magnificence は、EP のリリースに当たり、大きなプレッシャーを感じていたが、Axwell は、8曲全てを契約してくれたという。
■ Magnificence EP リリース
そして、2018年3月18日、Swedish House Mafia が ULTRA Miami でパフォーマンスを行った際、SHM は Magnificence の曲を2曲をプレイした。この瞬間、Magnificence は全てが変わると感じたとロビンは話している。▼ UMF 2018 - SWEDISH HOUSE MAFIA LIVE (FULL SET)「Fire」がプレイされたとき、嬉しくて涙が頬を伝った。でも同時に、この楽曲が成功を収めたあと、次はどこへ行くべきなのか、何をするべきなのかが分からなくなっていた。それが僕の中で困難になっていた。
もがいているうちに、どんどん孤独を感じていった。そこに答えはないし、周りもどうしていいのかわからなくなっていたから。だから僕は一人で戦うしかなかった、それは僕が僕自身で生み出したものだから」
■ 孤独とプレッシャー
また、Robin はその後の自身の置かれた壮絶な状況について、以下のように語っている。そして、僕は物凄く孤独を感じ、ADE の後に病院に運ばれた。ストレスが原因で肺虚脱を起こしてしまった。1ヶ月ほど病院に入院していた。当初、未来は明るいと思えなかった、これから1個だけの肺で生きていかなければならないからだ。
もうツアーはできないし、飛行機に乗ることも許されていなかった。僕のキャリアはもうお終いなのに、なぜ Magnificence を続けているんだろう、ということしか考えられなかった。そして鬱病になっていった。体には大きな傷跡があるし、真っ直ぐ歩くこともできなかった。
でも、スタジオに行ってみたんだ。それはバカな考えだった、スタジオに行っても精神面の状況は悪くなるばかりで、更にプレッシャーを感じて、結局落とし穴にはまっていった。それが多分、Maurice にも良くない影響を与えてしまった。
2018年に「Cobra」「Fire」「Out of My Mind」をリリースして、他にもいくつかリリースしているうちに、ショーも増えていった。この時に僕たちは初めて「ツアー生活」というものを経験できた。大親友と一緒に様々な国へ行き、ファン会って、ツアーをする、それが僕たちが Magnificence の活動をする本当の理由だった。
僕たちは他にある全てを忘れて、たった一つ「ショー」に集中する、それ以外は馬鹿げた話をしたりしていた。それが僕たちだから。
■ 2019年〜2020年
▼ MAGNIFICENCE @ TOMORROWLAND 2019 (FULL LIVE SET)2019年〜2020年にかけて、TV コマーシャルに出演したり、Tomorrowland や Creamfields でプレイしたり、その他にも多くの場所でプレイした。こういう風にプレイすることが僕たちが音楽のキャリアを始めた2011年に夢見ていたことだった。
■ 今後の Magnificence について
「こういった素晴らしい多くの経験と想い出のような、美しいものの中に、ネガティブな部分も出てきて、それが僕たちを苦しませてきた」と Magnificence は語っている。Robin:もう一緒にできないってことを考えることさえも、今はとても難しいんだ。だけど考えるとすごく難しい……。
Maurice:わかるよ、だけど、それは君がこれから見つけていかないといかないことでもある。
Robin:そうだね、僕は大丈夫だ。
Maurice:この章はこれで終わる。僕は違う道を行くことに決めた。だけどそれは、裏方として Magnificence に関わらないってことではなく、僕はいつも Magificence と一緒にいる。ただ表舞台には、僕はもう Magnificence としては出ないということだけだ。
Robin:肩の荷がすごく降りたというか……僕たちにとって障害だった、僕たちはそれぞれの苦闘があった。だけど、僕たちは何よりも「親友」である事を大事にしたいとお互いが思い、それを言えるんだ、それはすごく美しいことだと思う。そして親友としていることを選び、お互いが幸運を祈り合う。
Robin:そしてここから僕たちの新しい章が始まる。僕は未来がとても楽しみだ。僕は Magnificence として活動を続ける、だからまたみんなに会うのが楽しみだし、ツアーに出ることも楽しみにしている。
上記の二人の発言から解釈するに、今後二人は Maurice は Oësha として、Robin は Magnificence として別々の道を歩むものと見て良いだろう。もちろん未来のことは分からないが、Robin & Maurice としての Magnificence を2019年に見れたことは、ファンにとって貴重な体験となったことは間違いない。
▼ iFLYER Presents Magnificence at WOMB