絵のように美しい景観と多数のラグジュアリーなホテルや名門ナイトクラブを有する世界有数のパーティーアイランドとして名高いスペイン・イビサ島は、毎年何百万人もの人々が訪れる大人気の観光地として知られているが、最近、何千人もの地元住民らが、オーバーツーリズム(観光過多)に対する影響に抗議した。

イビサ島は "島" であるため、スペースは当然限られており、観光客の増加と訪問者の住宅問題は、そこに住んでいる地元住民に問題を引き起こしている。
5月24日には、約1,000人の住民が街頭に出て、ホワイト・アイル等の人気の観光地やその他の有名な場所を更新し、収容人数の削減と住民のための水などの資源の有効活用を要求した。

この運動は「Prou Eivissa(イビサはもう充分)」と名付けられ、広報担当の Rafael Giménez 氏は以下のように述べている。

我々は、新たな観光地の制限と、違法アパートの更なる禁止を求めている。市場に出回っているアパートが減ると、価格が上昇する。

イビサ島において、住宅問題は益々大きな問題となっている。バー、ナイトクラブ、ホテルの運営に必要な労働者の多くは、住宅の確保が困難となり、賃料も高騰している。最近の調査では、住宅不足と物価高騰のため、家が持てず、車やトレーラーハウスで暮らす人々が増えていることが明らかとなった。
とある教師は、この地域に住む余裕がないため、マヨルカ島からイビサ島まで、月に40回も飛行機で移動して生活していると明かした。

パルマ、カナリア諸島等のスペインの他の地域でも、過剰な観光客増加が地元住民に悪影響を及ぼしているため、住民たちから同様の要望が出ているとのことだ。
何百万ドルもの資金がこれらの地域の経済に流入している一方で、裕福な投資家や休暇を過ごす人々が住宅を立て続け、価格高騰で他の人々を住宅市場から追い出しているため、地域住民は貧困の瀬戸際に追い込まれている。

同様の懸念は、最近の日本でも浮上しており、今後日本でも大企業等の一部企業はインバウンド需要で儲かるが、地元住民は貧困化するという、イビサ島と同じような道を辿ることがないとは言い切れないのが現状だ。