音楽ストリーミングサービス Spotify(スポティファイ)が以前に広告の無料枠に表示していたアメリカ政府による米国移民関税執行局(ICE)の求人広告を、トランプ政権の ICE 採用キャンペーンの期間が2025年末に終了したことを受け、現在は表示しなくなったことが明らかとなった。

これは2026年1月7日にミネアポリスにて法務監視員として移民関税執行局の活動を監視する活動をしていた 37歳の Renee Nicole Good さんが ICE 職員により射殺された事件を受け、アメリカのエンターテインメント誌 Variety が Spotify に声明を求めた際に発覚したもので、Spotify は1月8日に以下のようにコメントを発表。

現在、Spotify 上 で ICE の広告は掲載されていない。

言及された広告は、すべての主要なメディアとプラットフォームにわたって行われた、米国政府の採用キャンペーンの一部だった。

この広告には、「危険な違法者」等、米国内における不法移民に言及する恐怖を煽る文言が含まれており、大きな物議を醸していたものだ。この広告の掲載について、Spotify は当時、イギリスの日刊新聞 The Independent に対し「広告は同社の広告ポリシーに違反していない」と述べていた。

2025年末に終了したトランプ政権の ICE 採用キャンペーンは、テレビ、ストリーミング、HBO Max、X、YouTube、Amazon Prime Video、LinkedIn、Meta 等のオンラインチャンネルに登場していた。

11月、アメリカのメディア Rolling Stone 誌は、Spotify が広告キャンペーン実施のために国土安全保障省から7万4,000ドル(約1,175万円)を受け取ったと報じた。このキャンペーンは、ICE が昨年8月に確認した「PR 電撃」の一環と見られ、1万4,000人以上の入国審査官の求人を Z 世代をターゲットとして行われたものだ。

草の根運動「Indivisible」が呼びかけた広告の放送を受けて、Spotify をボイコットする声が高まった。「Indivisible」の共同創設者/共同ディレクターである Ezra Levin は、先週後半に共有された声明の中で以下のように述べた。

Spotify は、ICE の行為がより残忍で致命的になったため、昨年ずっと ICE 広告を掲載することを選択した。同社が ICE 求人広告を掲載していないことを確認したことは、新たな道徳的指針を示しているわけではない。さらに、同社は、将来的にトランプ大統領のファシスト治安部隊と取引を続けるかどうかについても名言を拒否している。

Spotify は何ヶ月もの間、移民コミュニティや離散家族を恐怖に陥れる責任のある機関の拡大を支援する広告で利益を得てきた。これらの広告は、国外追放を強化し、国家暴力を常態化するというトランプ大統領支援の取り組みの一環だった。

これらの広告を終了しても、受けた被害が消えるわけではないし、強制送還機関の募集を促進するために政府の資金を受け取っている Spotify やその他のテクノロジー企業が免除されるわけでもない。説明責任とは、これらの広告が2度と戻らないようにすること、政府の広告に関する透明性を高め、我々のコミュニティに対する暴力を可能にしない政策に取り組むことを意味する。

サブスクリプションをキャンセルするという巨大な取り組みと、「Indivisible」や提携パートナーからの世間の圧力を経て、Spotify は今後 ICE の広告を掲載しないと公に表明した。本日、我々は Spotify による ICE 求人広告の永久停止を確実にするため、広告ポリシーを更新するよう要求することを再確認した。特にミネアポリスでの残忍な殺人事件の後は、顧客はそのレベルの関与に値するのだ。

Spotify の CEO/共同創設者である Daniel Ek 氏は最近、2026年1月1日に新たな執行会長の役割に就任し、今年初めに CEO を辞任する決定を発表した。Daniel Ek 氏は昨年6月、ドイツの AI 軍事防衛企業 Helsing への6億ユーロ(約1110億2,550万円)の投資ラウンドを主導した。これに反発し、Massive Attack(マッシヴ・アタック)、Kalahari Oyster Cult(カラハリ・オイスター・カルト)等の複数のアーティストやレーベルが、Spotify から音楽を削除した。

なお、Spotify はイギリス、オーストラリア、スイスでの最近の値上げに続き、今年第1四半期中に米国でも値上げを予定していると報じられている。