Create Digital Music の報道によると、DTM 製品、DJ 機材等の業界大手である Native Instruments(ネイティヴ・インストゥルメンツ)が、大規模な買収取引が成立に至らなかったことを受け、今週ベルリンで予備的破産手続きに入ったとのことだ。

今週初めにシャルロッテンブルク地方裁判所に提出された書類によると、トルステン・マルティーニ教授が予備的管財人に任命されたことが確認されており、現在、同氏により、会社再建の実現可能性や資産の戦略的売却の必要性を判断するための期間に入ったとのことだ。

なお、現在時点で150万人に及ぶ Traktor、Maschine、Kontakt ユーザーたちの同社のライセンスは依然として有効であり、アップデートサーバーも稼働し続けているため、大きな影響は出ていないとのことだ。
Plugin Alliance / Brainworx のゼネラルマネージャーである モー ヴォランス氏が、Facebook グループ「Plugin Alliance Audiophiles」にて、NI 製品ユーザーの懸念に対して以下のようにコメントしている。

本日現在、Plugin Alliance は破産申請の対象ではありません。
ランゲンフェルトおよび米国における事業は、この手続きの対象外です。今のところ、通常通りの業務を続けています。製品リリース、サポート、インストーラー、その他すべての活動は、これまでと変わりなく継続しています。

今回の破産申請は、ベルリンの Native Instruments GmbH に適用されるものとなるが、全社的な公式声明がないため、Plugin Alliance および Brainworx の長期的な状況は不透明だ。
現時点では、経営陣の発言のみに基づく見解として、米国とドイツのランゲンフェルトにおける事業は影響を受けていないことが示されている。

報道によると、この移行は、2019年のリストラで全従業員の約20%にあたる約100人の従業員が退職するなど、長年にわたる社内の不安定さを受けてのものであるとのことだ。2020年には、共同創業者のダニエル・ヘイバー氏と社長のマテ・ガリッチ氏が退任し、リーダーシップはさらに変化。後任のコンスタンティン・ケーンケ氏は2022年に Image-Line の責任者に就任した。

2021年には、フランシスコ・パートナーズが Native Instruments の過半数株式をプライベートエクイティ※で取得し、所有権が移行した。その後数年間は、iZotope、Plugin Alliance、Brainworx の買収を含む事業拡大期となった。

※未上場企業の株式(未公開株)に投資し、経営改善や成長支援を通じて企業価値を高めた後で、株式上場(IPO)や売却(M&A)で高リターンを狙う投資手法やその株式のこと。

2023年末までに提出された財務報告書には、多額の負債を抱えたバランスシートが反映されていた。2025年末には、欧州委員会がブリッジポイント・グループとベインキャピタル・クレジットへの売却案を承認したが、取引は数週間で頓挫し、同社は明確な進路を見失っていた。