現在著名なダンス系クラブDJは、NY、シカゴ、ロンドンといった都市発であるが、ドック・マーティンは、アメリカ・ウエストコーストから世界へ向け活躍している唯一無二のトップDJである。また、長時間に渡りダンスフロアを完全にホールドできる、"DJという名のマジシャン"といっても過言ではない。
86年の夏、サンフランシスコのウェアハウス・シーンでDJをスタート。ディスコやファンクなどレア・グルーヴ、レゲエやオールドスクールHip Hopからアンダーグラウンド・シカゴトラック、NYガラージそしてUKハウスまで好んでミックスするDJスタイルは、NYでもシカゴでもロンドンでも聴く事が出来ないユニークなフレイヴァーがあり、桁外れに熱狂的な支持を獲得していくようになる。こうして一躍サンフランシスコのクラブ・シーンを代表する人気DJとなったドックはLAに進出し、人種・年齢・性別を超えたパーティとして知られるFlammableLiquid,Sunday Love,東カリフォルニアのレイヴ・パーティからアンダーグラウンド・ロフトパーティやウェアハウスまで、その活躍の場を広げていく。そしてドックのホットで斬新なDJプレイに目をつけたDeee-Liteはやがてドックを彼等のツアーDJに起用。国内外の全国ツアーに帯同させ、後々James Brown、GraceJones、The ProdigyやMobyのライヴ・サポートDJにも起用される。
アメリカ・ウエストコーストのアンダーグラウンド・ハウス・シーンで初の世界的DJになったドックは、90年代にはNYのTwilo、リバプールのCreamでもレジデントDJとして活躍。アメリカのポスト・レイヴ・ダンスミュージックのアイコン的存在である彼は、Frankie Knuckles、Derrick May、Louie Vega、Carl Cox、Paul Oakenfold、Sasha等と並ぶトップDJとして称される他、このレイヴとクラブ・ダンスミュージックのスペクトラムの大きな壁を取り壊すことで、全くの新境地を作り上げている。アメリカはもちろんヨーロッパ、オーストラリア、アジアと世界中を駆け巡り、Craig Richards、Terry Francisと共にロンドンのNo.1クラブFabricにもレギュラー出演。ここ日本では、Yellow、ageHa、そして2007年6月には長野県こだまの森で開催された野外フェス"TAICO CLUB"にもシンガーのLilliaと共に参加している。
スタジオワークにおいては、A Tribe Called Quest、Moloko、Sylk130(KingBritt)、The Might Dub Katz(Fat Boy Slim)、Blaze、DJ Pierre、DubtribeSound System等の作品に関わり、Nervous Records、Classic、Music ForFreaks、NRKのプロジェクトに参加、オリジナルトラックは、Moonshine、Shaboom、Siesta、Grayhound、Imperial Dub、LeafやDJ SNEAKのDefiant Records、そして彼自身が運営するレーベSublevelから発表している。また、R&BシンガーのMark BellやDJ Sneak、Eddie Amador、Roy Davis Jr.達とのコラボレーションも行っている。また、Classic RecordingsからのMIX CD "Sounds U Can Feel"(2002)や"fabric 10"(2003)、2004年にP-Vineよりリリースされた"TRUE SCHOOL"や2005年の"Mix The Vibe"(King Street Sounds)では、彼のミックス・テクニックとオリジナル・タレントが折り込まれた傑作として、DJ達の間で必聴盤となった。
彼のマジックは広がり続け、ドックを崇拝する信者は年々増加している。ダンスフロアに集まったクラウドのエネルギーに踏み込めるDJ、音に乗せて愛のメッセージを運ぶことができるDJ、そして未来の伝説的ハウスDJとして世界中で愛されているドックの再来日ツアーを見逃すな!!