1995年結成、以降、移り変わりの激しいヒップホップ・シーンにあっても現在に至るまで、シーンの前線で10数年にも渡る現場密着型の地道な活動を続け、日本?アメリカ在住のユニークなメンバー構成で、関西アンダーグラウンド・シーンの象徴、420 FAMILY(TERRY THE AKI 06主催)への参加をはじめ、PRIVATE MISSION、浪速フレイバー、chillsideなど幾多の音源へと楽曲を提供、グループとしても「UP 2 YOU」(05年)、「WEST SIDE STORY-西の都-」(06年)、「LIVIN' LARGE」(07年)、「MAKIN' PROPHITS」(07年)と、過去四枚にも及ぶフル・アルバムをリリース、豊かなキャリアでシーンに確かな足跡を刻み付けてきたヒップホップ・グループ、LARGE PROPHITSとは、オーセンティックなビート、集団マイクでの掛け合い、真摯なメッセージなど、奇をてらった飛び道具的なスタンスではなく、ヒップホップの根幹を成す数々の要素に重きを置いてプロップスを獲得?そのシェアを広げてきた、いわば筋金入りの「正統派」グループであることは、関西のヒップホップ・シーンを知るクラバー、同業者たちにとっては広く知れたところだろう。
そしてこの度、自身のキャリア初の、単独名義でのソロ・アルバム、すなわち本作を作り上げたMC TOKIとは、強い個性が揃う大所帯グループ、LARGE PROPHITSの中にあっても「特攻隊長」の役割を担い、一際ストレートなメッセージと飾らないスタンスで、「等身大のヒップホップ」を体現してきたMCだ。
彼のラップは、そのフロウ、リリックス両面において、いたずらにトレンドを追いかける様子が微塵もなく、ごくシンプルに音とリンクしていく。 過剰なセルフ・ボースティングやハスラー然とした夢のような暮らし、カネ、女、暴力をテーマにしたギャングスタ的描写といった、現在のヒップホップの世界において「お約束」とでも言うべき派手なギミックスを排して、流行りの英語混じりのフロウとも無縁のまま、ただひたすら自分なりの言葉で、素直な胸の内を吐露していく。
肩肘張らない、頑固なまでに一貫して、自然体で臨む音楽、すなわちヒップホップ。それが彼にとっての「リアリティ」であることは想像に難くない。
そして本作は、そんな彼が独自のスタンスで今までに得たヒップホップ・シーンでの経験値、説得力はそのまま損なうことなく、グループの一員としてはなかなか表に現れることのなかった奔放な音楽性嗜好、狭義でのヒップホップの枠に収まることのない実験精神、メッセージがよりパワフルに推し進められた一枚となっている。
個々の楽曲について触れていくと、まずはアルバム冒頭を飾る、グッド・ミュージック・ジャ...
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