Sat, 03 Jun 2023
『MDNA』収録曲、たくましい讃歌、「アイ・ドント・ギヴ・ア」を締めくくるニッキーの感動的な宣言はまさにずばりそのもの。的確に表現している。30年近くにも及ぶ音楽活動を経た今でも、マドンナに匹敵するほどインパクトの強いアーティストは誰もいない。ライバルを寄せ付けず、彼女の常に斬新で新しい試みは、ずっと現在も世界のポピュラー音楽のサウンド基準になっている。彼女の仕事に注ぐ熱意は、世界中での莫大なセールスの形ではっきり表れている。もちろん、記録破りのツアーがクリエイティヴィティーの水準をあげているは言うまでもない。
『MDNA』は、強烈なリズムの炸裂、エネルギーがみなぎる曲で 新たな境地を開くいっぽうで、彼女の特有のクラシックな構成の魅力的なポップ・メロディーも健在。2月3日、世界で一斉に開始されたiTunes 限定アルバム予約注文にて、世界50ヵ国のiTunes Storeトップアルバム1位を記録、1日間でのアルバム先行予約の数字はなんとiTunes史上最多を記録!
明らかに、クィーンはただ一人、それはマドンナだ。
『MDNA』のオープニングはイタリアのクラブ寵児、ベニー・ベナッシ(Benny Benassi)とのみごとなコラボレーション曲、「ガール・ゴーン・ワイルド。」強烈なビーツとキーボードが激しくぶつかり合い、ぶち切れる寸前の「檻の中の動物」の緊張感を漂わせ、アルバムの幕開けを告げる。お次は、『Ray of Light』で一緒に仕事をしたウィリアム・オービット(William Orbit)とのコラボ、「ギャング・バング」 でリスナーを心臓の高鳴るアブナイ暴走の世界へと誘う。ベースのきいた、叩き付けるようなビートが不吉な前ぶれをにおわせる。明らかに、マドンナとオービットがこれまで開拓されていない音楽の領域へとわたしたちを導いてゆく。彼女のヴォーカルには容赦ない禁じられた怒りがみなぎり、暴力的な熱狂へとエスカレート……。もうこれ以上はムリ…….というところまでくるのだが、それでもその先をゆくマドンナ。今までの中でマドンナが最も原始的で、動物をむき出しにした作品。
マドンナとオービットの相性はぴったり。『MDNA』でのコラボ曲でもすでに実証済み。 「サム・ガールズ」ではまるで男のようにファンキーにふんぞりかえったかと思うと、「アイム・ア・シナー」 ではふたりでギターをがなりたて、ポップなパーカッションでレトロ感を飛び散らす。マドンナがこれまでにクリエイトした最も繊細な曲もオービットとの共作と言えると思う。たとえば、代表的なのが、美しいロマンス、「フォーリング・フリー」 。そして、やさしさと衝撃のまざりあった「マスターピース」 があげられる。ご存知のように、これは2012年、彼女の監督デ... More Biography