英国では2021年6月21日にロックダウンの緩和が予定されていたが、予定は変更となり、ロックダウンは4週間延長することになったと mixmag が伝えている。これはイギリス政府によって既に決定・承認されている事項であるとのことだ。

BBC によると、この決定により、イギリスのナイトクラブや会場は再オープンすることができなくなり、実質15ヶ月も閉鎖したままになってしまうという。果たして4週間後には晴れて再開となるか、または再度の延長となるのか……。いずれにせよ、英国のナイトクラブは消滅の危機に直面していると言っても過言ではないだろう。


今回4週間延長となった背景には、現在イギリスで感染を広げている新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」に対する懸念があるため。デルタ株は現在イギリスの患者の90%を占めているとのことで、入院リスクが2倍となるそうだ。BBC によると、感染した若者は「ひどい風邪」をひいたように感じるとのことで、また、例え症状がそれほど強くなくても、他人に感染させる危険はあるという。

この発表は、エンターテイメント業界においてイギリスの大規模イベントやフェスティバルを脅かす可能性がある。更にこの発表が出る前、2週間の延長が噂されていたようだが、結果的にはその倍となる4週間の延長となり、Night Time Industries Association(NTIA)は「ロックダウンの緩和が遅れた場合、ナイトクラブや会場は金銭的な責任を問われることになる」と警告していた。

音楽ファンたちは現在までに13億ポンド(日本円:約2,014億円)をイベントが再開した時に使用できる「リターンイベント」に費やしている。だが、4週間延期されることにより、約5,000以上のクラブと会場は「リターンイベント」を開催することができなくなってしまった。


継続的な経済危機が続く中、イギリスのナイトクラブが消滅してしまう可能性があるにも関わらず、英国の保健省は BBC に対し「イギリス政府は、経済支援の問題に取り組むだろう」とコメントしただけで、明確な経済支援については表明していないとのことだ。