性的人身売買、レイプ、恐喝、売春行為への関与等々、今現在多数の疑惑の渦中にあり、現地時間2024年9月16日に米 NY のホテルにて逮捕されたラッパー/音楽プロデューサー/実業家、Diddy(ディディ)、本名 Sean Combs(ショーン・コムズ)。

別名として Puff Daddy (パフ・ダディ)、P Diddy(P・ディディ)という名でも知られ、The Notorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.)、Mary J. Blige(メアリー・J. ブライジ)等の大物アーティストを自身のレーベルである「Bad Boy Records」から輩出し、更に Lil Kim(リル・キム)、TLC、Mariah Carey(マライア・キャリー)、Boyz II Men(ボーイズ・2メン)といった超人気アーティストたちのプロデュースもしてきた大物プロデューサーで、経済誌 Forbes による「アメリカで最も裕福なセレブリティ」ランキング8位にもなった人物だが、ここ連日、アメリカはこの Diddy に関するとんでもないニュースが連日のように報道され、アメリカはもちろん、世界中で大きな騒動となっている。


Diddy は取り巻きたち共に、"Freak Off(フリーク・オフ)" と呼ばれる乱行パーティーを開催、ここでは MDMA、ケタミン、さらにはキシラジンという馬用の精神安定剤等が使用され、被害者に薬物が投与されたケースはおよそ90%にも上り、更に乱行パーティーへの参加者たちはその行為を録画されて、口止めされていたとのことだが、現在この Diddy と関連があるのではないかと見られている多数のセレブや音楽業界の大物たちへの魔女狩り的な推測が SNS 上で横行しており、中には無実ながらにヘイターの攻撃を受け、自身の潔白を晴らすために尽力しているアーティストもいるようだが、一方で実際に Diddy の乱行パーティーに参加していたセレブたちは、警察の発表や新たなスクープの報道に怯えて日々戦々恐々としていることだろう。


なお、10代だった Justin Beaber(ジャスティン・ビーバー)もこの乱行パーティーに参加していたのではないかという疑惑が持ち上がっている一人だが、その後 Diddy と再会した際に「最近昔みたいに電話もかかってこなくなったし、一緒に過ごしてもいない」などと Diddy から言われているビデオもネット上に出回っており、距離を置くようになったのではないかとも言われている。

その他 Diddy との関係性で疑惑の渦中にあるのは、オバマ元大統領、Usher(アッシャー)、Kim Kardashian(キム・カーダシアン)、JAY-Z(ジェイ・Z)、Beyonce(ビヨンセ)、Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)、French Montana(フレンチ・モンタナ)、Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ)、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)、Martha Stewart(マーサ・スチュワート)、Paris Hilton(パリス・ヒルトン)等々、挙げればきりがない。

これら一連の報道の発端は、Diddy の元恋人で、2000年代に一斉を風靡したシンガーの Cassie(キャシー)が、Diddy から性的・身体的虐待を受けていたと訴えたことで、その後 Cassie とはすぐに和解が成立したものの、虐待を受けていたその他の女性たちも次々に告訴に踏み切った。これまでに3,000人以上の被害者が Diddy を告発してきており、未成年25人を含む被害者ら120人が新たに訴訟を起こすとのことだ。

更に、これらの犯罪はもはや Diddy 一人のものではなく、組織的犯罪であると結論付けられ、RICO 法が適用される模様。

▼Cassie

そういった告発の中で、Diddy による大量の麻薬の使用や銃器所持、脅迫、レイプ、売春、人身売買等々、次から次へと余罪が明らかとなり、ついに今年3月、Diddy 所有のロサンゼルスとマイアミの自宅が米国土安全保障省、FBI、地元警察により捜査を受け、その際に "Freak Off" の映像も差し押さえられていたとのことだ。
その後も更に、暴行動画の公開や訴訟等、新たなニュースが連日のように報道されており、まだまだ明かされていない様々な余罪がてんこ盛りであることは間違いないだろう。
 

以前から Diddyの 2Pac と The Notorious B.I.G.の殺人への関与を指摘し続けてきた EMINEM(エミネム)、最新アルバムでもその姿勢を崩さず


EMINEM は4年半ぶりの最新アルバム『The Death of Slim Shady (Coup De Grace)』を今年7月にリリースしたばかりだが、彼はかなり以前より一貫して Diddy の 2Pac と The Notorious B.I.G.の殺害への関与を主張し、Diddy への Dis 曲を何曲もリリースしてきており、最新アルバムでもその姿勢は一貫している。
同アルバム収録の「Fuel – Shady Edition」では、以前 Eminem が「Fuel」のオリジナル・バージョンにて非難していたように、やはり Diddy の殺人への関与を示唆している。
 

Notorious B.I.G.’s death was the domino effects of Tupac’s murder / Like facial tissue, whose card should I clean next? Puff’s?” 

ノートリアス B.I.G.の死は、2Pac 殺害のドミノ効果だった / ティッシュペーパーのように、次は誰のカードを拭けば良い? Puff?(Diddy)

“‘Til he’s in police handcuffs, guilty, will he step up? / Like gee, never turned himself in, who knows all the murders there’ll have been / Or me mixed up, prepare for me to not choose none of my words carefully.”

警察の手錠をかけられて有罪になるまで、彼は立ち上がるだろうか? / ああ、自首しなかったから、どんな殺人があったか誰にもわからない / あるいは、俺は混乱しているから、言葉を慎重に選ばないように準備しておけ

更に、2018年リリースの、Diddy のレーベル Bad Boy Records と契約したラッパーの MGK(マシン・ガン・ケリー)に対する DIS 曲「Killshot」内でも、以下のように述べている。
 

“Kells, the day you put out a hit’s the day Diddy admits / That he put the hit out that got Pac killed,”

Kells(MGK)、お前がヒット曲を出す日は、Diddy が認める日だ / 彼(Diddy)がヒットを打って(ヒットマンを送って)Pac(2Pac)を殺したということをな。

なお『The Death of Slim Shady』収録の「Antichrist」では、Diddy が元恋人の Cassie を暴行したビデオについて言及しており、更に「Bad One」ではラッパーの Kid Cudi(キッド・カディ)が Cassie と交際していた際に、Diddy が Kid Cudi の車に爆発物を仕掛けたという疑惑についても言及している。
 

「Killshot」にてEminem は "MGK がヒットを出すことは、Diddy が 2Pac 殺害を認めることぐらいありえないことだ" という意味でラップしているが、もしかすると今後、そのまさかが起きる可能性はかなり高まってきている。
果たして、EMINEM の長年の怒りと訴えが実際に報われる日は来るのだろうか……?