1959年に結成されたベンチャーズは、結成から既に50周年を迎え、1962年に初来日を果たして以来、2012年で来日50周年を迎えました。これまでの来日回数は64回を数え、日本での公演回数も2,600回を越えました。北は北海道稚内から南は沖縄石垣島まで全国47都道府県の全てを網羅し、300万人以上を動員しています。
「ウォーク・ドント・ラン」「ダイアモンド・ヘッド」「パイプライン」等のインストゥルメンタル・ロック・グループとして最も多くのヒットを放ち、世界中で成功を収めたベンチャーズが戦後音楽史に大きな足跡を残したことはいうまでもありませんが、とりわけ日本のポップス・シーンに与えた影響は計り知れないものがあります。あの個性的な♪テケテケ・サウンドで日本中の若者を釘づけにし、エレキ・ギターの魅力を伝え、そして何よりも自ら演奏する喜びと快感を知らしめたその功績は大きいといえます。加山雄三、山下達郎、南こうせつ、アルフィー、ハウンド・ドック・・・等々、「ベンチャーズがきっかけでギターを始めた・・・」と語るミュージシャンも数多くいます。60年代半ばベンチャーズがもたらした「エレキ・ブーム」が社会現象とまでなったのですから、これも当然のことと頷けます。その当時の青年たちの熱狂ぶりと興奮を描いた青春小説「青春デンデケデケ」(芦原すなお著)は1991年直木賞に輝き、大林宣彦監督により映画化され話題を呼びました。2000年代になってからも、日本全国で100以上のアマチュアのベンチャーズ・コピーバンドが活動し、中には親子でベンチャーズを演奏するなど世代を越えてベンチャーズ・サウンドは受け継がれています。
また、作曲家としても、「雨の御堂筋」(欧陽菲菲)「京都慕情」(渚ゆう子)「北国の青い空」(奥村チヨ)・・・等々30曲以上の作品を日本人アーティストに提供。日本の歌謡界にも大きく貢献し、「京都の恋」(渚ゆう子)は日本レコード大賞企画賞を受賞しています。「二人の銀座」(和泉雅子&山内賢)はカラオケ・リクエストの外国曲部門第一位と35年前の曲が今でも歌い継がれています。1991年にはNHK紅白歌合戦にも出場し、その後も来日の度に数多くの音楽、バラエティ番組等に登場、2007年にはフジテレビ系「SMAP X SMAP」でSMAPと共演して大反響を呼びました。2009年に結成50周年を迎え、NHK-BSで「我が青春のエレキサウンド~ベンチャーズ結成50周年スペシャル~」と題した90分の特番も放送されました。
2007年12月14日にはアメリカで「ロックの殿堂」入りを発表、翌年3月10日ニューヨークで授賞式が行われ,名実共に世界のベンチャーズとして再評価を受けました。また2010年4月29日に発表された春の叙勲で日本の音楽文化の向上・発展及び日米両国の友好親善に寄与した功績としてメンバー全員が「旭日小綬章」を受章しました。
結成50を過ぎても今なおあらゆるアイディアを模索、吸収し続けるベンチャーズ。彼等の新しいものへのチャレンジ・スピリッツはまさに「ベンチャー精神」であり、我々聞く物に新鮮な楽しみを与え続けています。
http://www.theventures.com/