"溶ける弥勒 或は 砂の嵐の黙示劇"
魔術の庭 6thアルバム「前夜」発売記念ライブ
Special Guest with 福居ショウジン(映画監督 / ホネ工房)
"魔術"の結界の周りに座り込みその庭を見ろ‥
四方を壁に閉ざされ‥牢獄のようだ。
青天井だけが高くに四角く口を開けている。
ようく見るがいい‥聞くがいい‥彼等が飛び立つそのさまを。
宮西計三執筆ライナーノーツより
2015年5月7日 (木) 高円寺SHOW BOAT
開場 : 18:30 / 開演 19:00
前売 : ¥2500 / 当日 ¥3000 + drink
東京都杉並区高円寺北3-17-2オークヒル高円寺B1 Phone 03-3337-5745
http://showboat1993.wix.com/showboat1993 / info@showboat.co.jp
前売取扱 : SHOW BOAT店頭 / ローソンチケット / e+
演奏:魔術の庭
5月7日プログラム
第一部 :「S-94」2009年作品上映と共にSpecial Unitによる同時演奏
第二部 :「前夜」収録曲より
第三部 :「自由」へ向かって 祈念と実践
第二部、第三部とも福居監督自身の映像素材を用い、監督自らライティング。魔術の庭を過激に、極彩色に染め上げる。
福居ショウジン ホネ工房:
東京工芸大学工学部画像工学科卒業。バンド活動を経て『ゲロリスト』、『キャタピラ』を発表し、石井聰互監督作品に演出助手として参加する。映像制作集団『ホネ工房』を率い、1991年、『ピノキオ√964』を発表。1992年、日本映画プロフェッショナル大賞・特別賞を受賞。同年ロッテルダム国際映画祭に招待上映され、ヨ-ロッパ25ヶ所で上映される。1996年、『ラバ-ズ・ラバ-』を発表。同年ロッテルダム国際映画祭に招待上映される。2008年5月、『ラバ-ズ・ラバ-』以来となる劇場公開作品『the hiding-潜伏-』を発表。2009年、最新作『S-94』を制作、10月には都内のライブハウスで特殊なエフェクターを駆使した爆音ライブ上映を展開。2009年から2010年にかけて『the hiding -潜伏-』と『S-94』を中心に、複数の海外映画祭にて作品が上映される。魔術の庭の福岡林嗣とは1990年代より多数のコラボレーションを行って来ている。今回は2012年のCINEMA BLAST以来、3年ぶりの邂逅。
http://www.honekoubou.jp/
Pataphysique Records 復活第一弾
魔術の庭 6th ALBUM「前夜」2015.4.25. ON SALE
滅びへ向かう現代文明へ警鐘を鳴らす、魔術の庭6thアルバムにして現時点での最高傑作。その内容は相変わらずハードなオリジナル曲から静謐なインプロヴィゼイションTelevisionのTom VerlaineとRichard Hellに捧げたNYパンク風の
"Memories of Fire"、Iggy & The Stoogesの"Search & Destroy"のカヴァー等
多彩で幅広い音楽性を聴かせる。「前夜」発売を記念する特別な一夜にして、
当日のみ「前夜」定価¥2700を税込み¥2000にて販売。
世の終わりのための四重奏&五重奏曲集
artist: 魔術の庭
title: 前夜
label: Pataphysique Records / Captain Trip Records
num: DD-012, CTCD-686
CD+特典DVD
price: 2,700yen
tracks:
1. 東京ゼロ戦
2. もんじゅ
3. 溶ける弥勒
4. 熱帯 電離の密林 オーロラの囀り
5. Memories of Fire
6. Search & Destroy
7. 前夜
魔術の庭、「前夜」によせて
■小磯卓也 映像作家 ReguRegu■
世界中で血が流されている。何処かで沢山の人が殺されている。
古代アステカ文明が日々神に、人身御供の神事を行い、果てに多くの生贄を必要とするあまり、戦争までやっていたのと変わらず、いつまでたっても人類は、欲望を満たす為の祈りと共に、ひたすら殺戮を続けている。
きっとそれは、人間の本能。
どうも歴史を振り返ってみると、大いなる願いの達成の為には、どうしても血が必要なようだから。
「魔術の庭」とは、最初1998年、東京からやって来たOVERHANG PARTYの福岡林嗣氏によって、札幌で始められたシリーズイベントの名であったことを知る人は少ない。そこはいつも驚く程の刺激に満ちていた。
他者を殺さず、自らを生贄にする幻。その時に流れ出てくる綺麗なもの。
まるで血の儀式のような緊張感の舞台は、いつだって神聖な祭壇みたいだった。
世界が沢山の血を求めている。いよいよ自分も生贄にされる時が来た。
そして、東京に帰った彼は、より強力な儀式の成就の為、己の分身OVERHANG PARTYを生贄として祭壇に捧げた。
17年間、自分の全てを与え、育ててきた幻獣の首を刎ね、それを「魔術の庭」の宝座に、しっかりと掲げたのである。
ロックバンド「魔術の庭」は、血を流すことなく、殺すことなく、まるで血を流すように、まるで殺すように、言葉と、爆音と、光で、呪われた人間の本能と真っ向から対峙しているのだ。
■小出裕章 京都大学原子炉実験所■
残念ながら私は音楽に関して全く才能がない。作曲もできないし、楽器の一つも弾けない。歌を歌うことすら苦手である。
でも、おそらくは人並みに、音楽を聴いて来た。ただし、私が好んで聴いてきたのは、クラシックとジャズであり、ハードなロックを聴くことはほぼ全くと言ってよいほどなかった。その私が「魔術の庭」のCDにコメントを寄せるのは、本当は適任でない。
でも、福岡さんからの依頼を引き受けたことには理由がある。それは人間が生きいきと生きることを彼が体現しているからである。この日本という国では、昔から「寄らば大樹の陰」「長い物には巻かれろ」「出る杭は打たれる」とずっと言われてきたし、「お上」には従うものとされてきた。教育も画一化され、少しでもいい学校へ行き、少しでもいい会社に行き、そして少しでも出世して故郷に錦を飾るのが美徳とされてきた。でも、本当ならそんなことはどうでもいいことだと、私は思う。
魔術の庭の音は、彼らの中から抑えることができずに吹き出してくる。ギターもベースもドラムスも、ある時は泣き、ある時は激しく怒り狂う。特に、今の社会の常識にとらわれている人たちは、魔術の庭の音を心地よく思わないだろう。私が若かった頃、プレスリーやビートルズは、不良と烙印を押されたし、学校で放送することすら禁じられた。日本の原子力発電の状況を的確に歌った忌野清志郎の「Summer Time Blues」は、巨大原発メーカー「東芝」の傘下である「東芝EMI」からCDの発売を拒否された。それでも彼らは音楽を止めなかった。魔術の庭の今回のCDには「もんじゅ」など直截的に原子力発電所を取り上げたボーカル付の曲が収録されている。その歌詞も彼らの中から抑えきれずに吹き出てきたものであろう。そして、「自由の幻想」の中で彼らは歌う。
「自由だと思い込んでいるおまえの頭 そこが最後の植民地」
「出る杭は打たれる」には後半があり、「出ない杭は腐る」という。今回のCDも大手音楽メディアからリリースすることはできなかった。しかし、出ないまま腐るよりは、出て打たれた方がどれだけ素敵か分からない。「魔術の庭」には、打たれても、打たれても挫けずに、自らの個性を輝かせて演奏を続けて欲しい。
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