音楽シーンが盛り上がるきっかけ、― それは明らか
ひろーく一般には、10年に渡って音楽不況なんて言われていますが、日本のポピュラー音楽史上、最もクオリティの高い音楽が、数えきれないほど、いっぱい存在しているのが、現在の東京のライブハウス周辺の状況だと、確信しています。
ただ、その才能があまりに入り乱れ、アマチュア?インディーズ?メジャーのミュージシャン、アーティストが、玉石混交としていて、ライブハウスから遠い場所にいる音楽ファンからは、気づきにくい。良い音楽を求めていても、どこで誰のライブを観て、聴けばいいのか、分からないのが、今の音楽シーンの不幸ではないでしょうか。
音楽シーンが盛り上がるきっかけ、― それは明らかであって、細分化された音楽ジャンル、コミュニティを超えて、音楽に対する姿勢やモチベーションを共有できるミュージシャン、アーティスト、スタッフ、そして、リスナー、音楽ファンが集まり、自由な雰囲気の中で、刺激や影響しあうこと。エネルギーの高いものどうしが、ひとつの場所に集まることで、自然と渦が湧き起こり、流れが生まれます。あとは、流れるプールに身を委ねるだけのようなもの。次から次へと、プールサイドから、流れに飛び込む人が後をたたなくなります。
今という時代 ―
1920年代の世界大恐慌の時代に、「ジャズ・エイジ」と呼ばれるスイング・ジャズ?モダン・ジャズへの流れが生まれ、
1970年代のイギリス不況期に、UKパンク?ニューウェーブの流れが生まれ、
1980年代末の不況のアメリカでコマーシャルな音楽に対抗して、オルタナティブ・ロックの流れが生まれ、
1990年代の日本のバブル崩壊期に、渋谷系ムーブメンントが生まれたように、
歴史を見れば、今、ミュージシャンやアーティスト、クリエイターの置かれる状況がわかります。
― 時代は変わる。
ミュージック・オルグは、現役のイベント企画者、PA、レコーディングエンジニア、大手ポータルサイト・元音楽チャンネル プロデューサーを中心に、2011年4月下旬、グランドオープンしました。段々と口コミやTwitterなどで評判をいただき、これまでに253組(9月1日現在)のアーティストの方々に出演していただきました。ミュージシャン、アーティスト、クリエイター、イベンターの方々はもちろん、協力していただいた大手音楽サイト運営者、CD店バイヤー、レーベルの方々、そしてオーディエンスの皆さんに、心から感謝申し上げます。
ミュージック・オルグの役割は、<流れるプール>そのもの。あとは、プールサイドから覗き込んで、この流れに飛び込むかどうか。
たくさんの「音楽が好き」という人たちが集ることで生まれる、<新しい流れ>を、ここから作っていきたいと思います。
南池袋ミュージック・オルグ オーナー 山田典明