Avicii(アヴィーチー)の代表曲のひとつ "Hey Brother"。そのボーカルを務めたアメリカ出身のミュージシャン Dan Tyminski(ダン・ティミンスキー)が、インタビューで当時のレコーディング秘話を明かした。
 
"Hey Brother" を収録した Avicii のデビュー・アルバム『True』は、"Wake Me Up" を初披露した Ultra Music Festival 2013 でブーイングを浴びてから、わずか数か月後にリリースされた。当時、エレクトロニック・ミュージックはメインストリームへと急速に拡大し、ハウスやダブステップがシーンを席巻していた。
Avicii は、"Levels" や "Fade Into Darkness" といった世界的ヒットを経て、デビュー作となるフルアルバムに、アメリカの伝統的なカントリー・ミュージックの一種である「ブルーグラス」の要素を取り入れる大胆な方向転換を図った。
 

アルバム『True』には、"You Make Me"、"Addicted To You" といった感情を揺さぶるアンセムが並んでいたが、そのひとつが "Hey Brother" だ。ブルーグラス界の名シンガーソングライター Dan Tyminski による力強いボーカルも大きな話題を呼んだ。
 

上記の Instagram 投稿で Dan Tyminski は当時を振り返り、Avicii はロサンゼルスに滞在しており、自身はアメリカ・テネシー州ナッシュビルでレコーディングを行っていたと明かしている。また、Avicii 本人とは一度も直接会うことはなかったという。さらに、Avicii から渡されたのは、キーとなる音がひとつだけ鳴っているシンプルな「ピアノの単音(G)」と、一定のテンポで鳴る「カチ、カチ」というメトロノーム音の「クリックトラック」のみだったそうだ。
それだけを頼りにボーカルを吹き込み、ほぼ "骨組みだけ" の状態でボーカルを録ったそうだ。どんな曲に仕上がるのか全く分からないままレコーディングは行われたが、その後 Avicii が Dan Tyminski のボーカルをもとに楽曲を作り上げ、まるで魔法をかけるように完成させたという。
 

また Dan Tyminski は、完成版をあとから聴いたのは結果的に良かったと振り返っている。もし事前に Avicii が思い描いていた完成形を知っていたら、きっと今とは違う歌い方をしていただろう、と語った。