ラスベガス・スフィアを運営する企業 Sphere Entertainment が2026年第2四半期(Q2)の決算を発表した。総収益は3億1,360万ドル(約496億7,831万円)で前年比11%増。このうちラスベガス部門が2億2,640万ドル(約358億6,255万円)を占め、前年同期比約30%増という急成長を記録した。総建設費23億ドル(約3,643億2,805万円)をかけて2023年9月に開業したラスベガスの Sphere は、同社の主要な成長エンジンとして急速に確立されつつある。
一方で全体的な営業損失は6,130万ドル(約97億1,078万円)に拡大しており、これは主に MSG Networks 部門の加入者数減少と広告収入の落ち込みが原因。ラスベガス部門が好調な一方で、会社全体としてはまだ黒字化していない。株式($SPHR)は年初来約60%上昇し、過去12ヶ月で3倍以上に急騰。2026年最もパフォーマンスの高いエンターテインメント株のひとつとなっており、7月30日の決算コール後には$154.23(約24,432円)で取引された。
決算コールにて Sphere Entertainment の エグゼクティブ・チェアマン/CEO の James Dolan は、 Sphere を世界規模のネットワークに拡大するという攻撃的なビジョンを投資家に向けて示した。
Investing.comに公開されたトランスクリプトによると、James Dolan は以下のように語ったとのことだ。
建てられる限り、建て続ける。
資本はある。目標は目標であり続ける。速く進むことだ。5〜6年後に、5つ以上の施設が稼働していて、さらに5つが建設中という状態にしたい。もっと速く建設できる方法が見つかれば、そうする。
James Dolan は拡張のボトルネックは「資金ではなく、設計と建設のロジスティクスだ」とも述べている。1カ所のラスベガスから複数の同時プロジェクトへの移行は、各地での異なる建設業者・労働市場・サプライチェーンの調整を意味する。James Dolan は「設計が分かり、ノウハウが蓄積されれば、速く進める。そこに集中している」と述べた。
社内開発チームは今後1年半で2〜4プロジェクトを新たに追加できる体制だと EVP の David Granville-Smith が説明。現在はラスベガスの稼働施設1つと2つの発表済みプロジェクトがある。
アブダビでは、ヤス島での Sphere 建設サイトが正式発表され、建設がすでに始まっている。完成予定は2029年末。米国内ではメリーランド州ナショナル・ハーバーでの Sphere 建設計画も進行中で、4年以内の開業を目指す。ナショナル・ハーバーでは2億ドルの州・地方・民間からのインセンティブを補完するサードパーティー融資の合意を「近い将来」完了させる予定だと James Dolan は述べた。
コンテンツ面でも新たな動きがある。来月には極限スポーツを題材にした映画「From The Edge」の公開も予定されており、また「Rocky Horror Picture Show」が Sphere での新たなコンテンツとして2027年のデビューを予定している。James Dolan は「これによりコンテンツのスレートが新たなジャンルに広がり、夜間の公演も組み込めるようになる」と語った。
現在稼働中のコンテンツの「ウィザード・オブ・オズ」は約360万枚のチケットを販売し、チケット売上だけで約4億5,000万ドル(約712億8,652万円)という巨額の利益を生み出しており、James Dolan は「公演は長く続くと期待している」と語った。夏は観光客数が減少するラスベガスのシーズナリティの影響を受けるものの、好調を維持しているとのことだ。
まだ正式発表されていない3拠点目について、James Dolan は複数の市場と「重大な数の」交渉を行っていると明かした。「年末までに発表できなければ、少なくとも第1四半期(2027年Q1)までには何か発表がなければ失望する」と語り、2026年内の新拠点発表に意欲を見せた。資金調達についても、市場に応じてフランチャイズ・ビルド・トゥ・スーツ・リースバック・マイノリティ株式・負債などの複数の融資構造を活用していると説明した。
ウォール街のアナリストは$150〜$200の目標株価を設定しており、拡張戦略への継続的な自信を示している。23億ドルの投資から始まった Sphere の実験が、世界規模のネットワークになる日が近づきつつある。








